2005Y シボレー エクスプレス ABSランプとか

2005年式シボレーエクスプレスで、「ABSランプが点灯する」「ナビなどの電装品の電源が入らないことがある」
というご相談をいただきました。


まずABSランプの件ですが、診断機による結果から車速センサー(スピードセンサー)の故障と判明。
センサー交換が必要です。

ところがこの車両、センサーの取り付け位置がハブベアリングASSYの奥にあるため、
一度ハブASSYを取り外しのて作業になりました。
作業中、ハブベアリング自体にガタがないかもしっかり確認し、もしガタがあればASSYごと交換するつもりでしたが、幸いにもベアリングの状態は良好でしたので、今回はセンサーのみを交換しました。
この作業にて、ABSの警告ランプは無事に消灯し、修理完了です。

次にナビゲーション等の電源が入らなくなる事があるとの事です。

このような症状は、純正機器よりも後付けの電装品でよく見られるトラブルのひとつです。

当店のこれまでの整備経験から申し上げますと、こういった電源トラブルの多くは、
機器本体ではなく取付方法や配線処理に問題がある場合が非常に多いです。

今回ご相談いただいた症状は、「電源が入らなくなることがある」というもの。
こういった 症状が出たり出なかったりするケース、実は整備する側としては非常に厄介です。
なぜかというと「触ったことで一時的に直ってしまう」ことがあるからです。
たとえば、接触不良が原因だった場合、配線に軽く触れただけでも一時的に接触が回復してしまうことがあります。
すると、不具合が直ったように見える状態になってしまい、本当の原因を突き止めるのが難しくなるのです。

特に後付けの電装品においては、「どこから電源を取っているか」「どういう経路で配線されているか」が車種や取付方法によってまちまち。
見た目には分からなくても、裏側で無理な配線や不安定な電源取りがされていることも珍しくありません。
こうした場合、「直らないでいてくれた方が原因が分かりやすい」という、なんとも複雑な心境になりますが、
まずは順を追って配線をたどり、取付状態や電源の取り出し方など、ひとつひとつ確認していく作業から始めます。

ナビ裏から配線を追っていくと、やはり出てきました。「分岐に次ぐ分岐」…。
見るからに怪しい配線の束にたどり着き、「これは…」という予感は的中します。
配線の行先を丁寧に調べ、元の状態に復旧してから、あえて症状が再発するのを待ちます。
こうして実際に症状が出たタイミングを逃さず、再度調査。
結果、原因はリレー内部の接触不良でした😅

こういった電装系トラブルでは、お車の歴史がトラブルの背景にあることが多いです。
特に途中で乗り継がれたお車の場合、以前どこかのお店で取付けられた電装品の配線がそのまま残っていることもあります。
中には、安全性やメンテナンス性を無視したような分岐配線が何重にも渡って施されているケースも…。
もちろん、すべての配線を一つひとつ確認していくことも可能ですが、その分作業時間(=工賃)もかかってしまいます。

【原因はリレー、でも見逃せないバッテリー直結配線のリスク】

今回のトラブル、直接の原因はリレー内部の接触不良でしたが、それだけで安心とはいきません。
追加で引き回された配線についても、電源の大元を含めて徹底的に確認していきました。
配線の経路は図面がないため、目視で一本ずつ追いかけるしか方法がありません。

その結果、たどり着いたのは…
車両のバッテリーのプラス端子に“直付け”された電源線でした。
正直なところ、こういった施工は珍しくありません。
実際、回路に問題さえ起きなければ、直結配線でも何も起こらないことも多いです。
ですが――
万が一、その回路でショートや過負荷が起きた場合は非常に危険です。
最悪のケースでは、配線が発熱して車両火災につながる可能性すらあります。
ご家庭でもよくある「タコ足配線による火災」――まさにそれと同じ構図です。
今回車内で確認した配線も、分岐に次ぐ分岐を繰り返したタコ足状態でした。
ある程度の電装知識があれば、分岐の先にヒューズを入れることは基本的な対策です。
ですが、問題は「その先」だけでなく、「分岐を重ねた元の配線自体」にもあります。
分岐が多くなることで、元の配線にかかる電流が増えすぎてしまい、結果的に配線の許容量を超えて発熱――
こうした構造的なリスクが、長年の使用の中でいつの間にか積み重なっていることも少なくありません。
安全性確保のためには、見えないところの施工こそ、しっかりと確認することが重要です。

色々と細かく書きましたが…
正直、あまり面白い話ではないのは分かっています😪
ですが、自分の大事な愛車が火を吹いたらどうしますか?🔥
想像しただけでゾッとしますよね😰
実は、そんな悲しいことが後付けの電気機器の配線不良によって、現実に起こってしまうことがあるんです❗
「ちょっと電源取っただけ」「前のオーナーが付けたまま」「動いてるから大丈夫」――
そんな油断が、車両火災という最悪の事態を招くこともあります。
そう、電気をなめたら痛い目を見るのです‼️⚡
今回は幸い、原因はリレー内部の接触不良と判明し、問題の回路については大元に適正なスローブローヒューズを追加し、万が一に備えた対策を施しました👍

そして室内では、原因だったリレーを新品に交換し、それぞれの回路に合わせた適正容量のヒューズボックスを新設しました。
これで万が一のトラブル時にも配線を保護できるようになり、さらに今後の整備や点検がしやすいように、行き先や用途もきちんと記入して作業完了です

見えない所にこそ落とし穴は潜んでいます。
「うちは大丈夫」と思っているお車ほど、一度点検しておくと安心ですよ😊

今回はいつもご利用いただいている常連のお客様でしたので、この追加作業についてももちろんご説明しつつ、
私のやりやすいようにお任せいただき、スムーズに進めることができました。
いつもありがとうございます🎵

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