2007年キャデラックエスカレードの運転席ドアスイッチ交換です。
今回交換したのは、パワーウィンドウやドアロック、ミラー調整などを操作する運転席側の集中スイッチです。

実はこの運転席ドアスイッチは、ただ部品を付け替えただけでは正常に作動しない場合があります。
一般的には「スイッチが壊れたなら交換すれば終わり」と思われる部分かもしれませんが、 この年式のGM車はそう単純ではありません。
見た目は普通のスイッチでも、車両側から見ると単なるスイッチではなく、 車両ネットワーク上で通信しているひとつのモジュールとして扱われています。

そのため、新品部品を取り付けた後に車両へ認識させるためのプログラム作業が必要になります。
今回も部品交換後、MDI 2を使いGM純正診断環境であるテックラインコネクトを使用して、 車両に合わせたプログラムを行いました。

分かりやすく言うと、部品を交換しただけでは車側が「この部品をどう使えばよいか」を正しく理解していない状態です。
そこで、車両情報に合わせた正しいデータを書き込み、車両と新しいスイッチをきちんと連携させる作業が必要になります。

ここで注意が必要なのは、専用診断機だけではなく、安定した通信環境と電圧管理が必要になるという点です。
プログラム作業中は電圧変動に非常に敏感なため、一般的なバッテリー充電器を接続したまま作業を行うと、
電圧変動やノイズの影響で通信エラーを起こす可能性があります。
今回もGYS安定化電源を使用し、車両電圧を安定させた状態でプログラム作業を行いました。
プログラム中に通信エラーや電圧低下が発生すると、最悪の場合は新品部品が使用できなくなったり、
別の不具合を発生させてしまう可能性もあります。

最近の車は「部品を交換すれば終わり」ではなく、交換後に設定やプログラムが必要なケースが増えています。
特にモジュール交換では、車両に合った正しい手順で作業しないと正常に作動しない事があります。
今回のエスカレードも、ドアスイッチ交換そのものは大きな作業ではありませんが、
その後のプログラムまで含めて初めて完成となる作業でした。
部品交換だけを見ると簡単そうに見える内容でも、実際には専用機器と正しい手順が必要になる、
という分かりやすい例だと思います。
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